訪問前に体温を測っている訪問介護スタッフのイラスト

厚生労働省が2026年9月18日に公表した感染症発生動向調査(第37週)によると、インフルエンザの全国の定点あたり報告数は5.54人となり、前週から68.3%増加しました。報告患者数は20,697人で、昨年の同時期の7.6倍の水準です。流行入りしたのは8月末(第34週)で、例年の11〜12月ごろより2〜3か月早く、感染症法が施行された1999年以降では2009年に次いで2番目に早い流行入りでした。

流行入りから約1か月が経ち、報告数は増加を続けています。岡山を除く46都道府県で流行開始の目安「1.0」を超えており、訪問介護の現場では、複数の利用者宅を回る働き方の特性上、感染・媒介のリスクにも気を配る必要があります。今からできる備えをまとめました。

今年のインフルエンザ、何が例年と違うのか

  • 2026年9月18日発表・第37週(9月7〜13日):全国の定点あたり報告数5.54人・報告患者数20,697人(前週比68.3%増、昨年同期比7.6倍)
  • 岡山を除く46都道府県で流行開始の目安「1.0」を超過。沖縄は16.61人と注意報レベル(10人)を超えている
  • 流行入りは8月末(第34週・定点あたり1.11人)。例年の11〜12月ごろより2〜3か月早く、1999年の感染症法施行以降では2009年(新型インフルエンザ流行時)に次いで2番目に早い
定点あたり報告数は、全国の定められた医療機関から報告された1施設あたりの患者数です。「注意報レベル」は10人、「警報レベル」は30人が目安とされています。地域によって流行の度合いは大きく異なるため、お住まいの自治体の発表もあわせて確認してください。

訪問介護従事者が感染・媒介しやすい理由

訪問介護は、1日のうちに複数の利用者宅を訪問する働き方です。どこかで感染すると、他の利用者へうつしてしまうリスクもあります。また、訪問先の利用者は高齢者が多く、インフルエンザにかかると肺炎などを合併し重症化しやすいため、訪問する側の体調管理がより一層重要になります。

自分の体調管理でできること

  • 十分な睡眠をとり、体力を落とさないようにする
  • バランスの取れた栄養をとる
  • 流水・石けんによる手洗いをこまめに行う(帰宅時、食事前、訪問先の物品に触れた後など)
  • 室内の湿度を50〜60%程度に保つ(乾燥はウイルスの生存・感染力を高めやすい)

ワクチン接種を希望する場合は、対象・時期・費用が年齢や自治体によって異なるため、医療機関や自治体の最新情報を確認しましょう。

室内の温湿度計で湿度を確認している訪問介護スタッフのイラスト

訪問前後にできる感染対策

  • 訪問前に自分の体調を確認する(発熱・のどの痛み・咳などがないか)
  • 利用者宅に入る前後に手指衛生を行う(手洗いまたはアルコール消毒)
  • 咳・くしゃみが出るときはマスクを着用する(咳エチケット)
  • 体調不良を感じたら、無理をせず早めに事業所へ相談する

訪問先の利用者への感染を広げないための配慮

自分の体調に問題がなくても、流行期は「うつさない」意識を持つことが大切です。訪問先の利用者は高齢者が多く、感染すると重症化しやすいため、次のような配慮も心がけましょう。

  • 流行期はマスクを着用して訪問する
  • 可能な範囲で、訪問中の換気に協力してもらう
  • 体調に少しでも不安がある日は、無理せず事業所に相談し、訪問順序や担当の調整を検討してもらう

こんな症状が出たら

38℃以上の発熱、強い倦怠感、関節痛・筋肉痛など、インフルエンザが疑われる症状が出た場合は、無理をして訪問を続けないことが大切です。自分自身の回復のためだけでなく、利用者や同僚への感染を広げないためにも、早めに事業所へ報告・相談し、医療機関の受診を検討しましょう。

事業所として備えられること

個人の対策だけに頼らず、事業所としての備えも感染拡大を防ぐうえで重要です。管理者・サービス提供責任者・訪問職員の全員で、次の点を確認しておくと安心です。

  • 職員が体調不良を報告しやすい連絡体制を整えておく
  • 職員が急に休んだ場合の代替要員・シフト調整の仕組みを用意しておく
  • マスク・手指消毒用のアルコール消毒液などの備品を十分に備蓄しておく
  • 流行期に向けて、感染対策の研修や情報共有の機会を設ける

まとめ

2026年は例年より2〜3か月早くインフルエンザが流行入りし、9月半ばの時点で報告数は増加を続けています。「まだ9月だから」と油断せず、手洗い・咳エチケット・体調管理といった基本的な対策を今のうちから始めておくことが、自分自身と利用者を守ることにつながります。

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